万場の別荘を保存し有効活用するための提案書

平成16年4月16日 万場の別荘を保存し有効活用するための提案書

神流町長 宮 前 鍬 十 郎 殿
NPO:神流町まちづくりお助け隊(仮称)準備委員会 代表:小林妙子.

昭和9年に建てられたという信号横の別荘が、町が駐車場から公園にかけて計画している施設の建設に伴い、バスの停留所・待合室・トイレのスペース確保のために取り壊される予定とお聞きしました。
私達は、この建物を取り壊さずに、バスの待合室兼住民と観光客のための開かれたスペースとして有効に使用していった方がメリットがあるのではないか、と考えます。
◎ 別荘を残した方が良いと考える理由
1. 町並みの一部となっていて、外観上、非常に魅力的な建物である
(特に観光客など外来者にとって)
2. 昭和初期の建物として、文化的価値がある。
3. 商店街の中心にあり、町民にとっても愛着のある建造物である。
一方、以下の課題もあります。
◎ 別荘に関する問題点
1. 町が計画している施設の障害物となっている
2. 建物自体の文化財的価値はあまりない

以上のことをふまえたうえで、私達は万場の別荘を以下のように活用したいと考えています。
<<まちづくりの拠点としての、別荘活用プラン>>
<町の計画との折衷案として>
 町が計画している新設施設のバス停留所の待合室としての別荘の利用。
 バスの入るスペースが狭くなってしまうと思いますが、なんとかならないでしょうか?

<別荘活用の目的>
・ 住民の生活や自主的な諸活動などに役立つ
・ 万場の商店街の中で観光客の足を引き止める
・ 住民の暮らしや観光・商売までひっくるめた「まちづくり」の拠点にする。
・ 住民同士や観光客などがゆったりとした時間や物作り体験などを通じて触れ合える場にする

<具体的な活用プラン>
◎バスの待合室兼コミュニティースペースとしての利用
 住民と観光客の触れ合いの場
・ 住民の方や観光客が、気軽に立ち寄ってお茶を飲んだりしてくつろげる
:お茶はいつでも飲めるようにしておいて、料金を設定したり、箱を置いてカンパ制になどにするなどする。茶屋の佇まいで。
・ 保育所・小学校の放課後の子どもが遊べる:自主的な学童保育

◎老人・大人と子どもたちや観光客が触れ合い、物作りを教わることができる触れ合いと創造の場として
・ 住民の方と子どもたちが触れ合える場
・ 物作りができる方に来てもらい、観光客に体験させたり、子どもに教えてもらう(竹細工・木工・機織り・手工芸など)

◎町内や外部の人が自由に表現のできる場
・ 町内で活動している団体の紹介・作品の展示・販売
・ ギャラリー・ミニコンサートができるスペース

◎ 「NPO:神流町まちづくりお助け隊(仮称)」の事務所として
ここを拠点として、様々なまちづくりのための活動を行います・
・ 地域通貨を使った、住民同士の助け合いの仲介
:住民の方に、「自分ができること」を登録してもらい、住民の方からリクエストがあったときに働いてもらいます。対価は、地域通貨で住民同士でやり取りします。お助け隊は、そのための通貨の仕組み作りや登録やリクエストの仲介管理を行います。
例:「山奥の集落から、診療所まで車で送って欲しい」というお年寄りと、
「車での送迎できます」という方を中継する。
地域通貨の通帳などを作成して、当事者同士でやりとりしてもらう。
「送迎1往復につき、1000kanna」など。

<運営に関して>
運営は、「NPO:神流町まちづくりお助け隊(仮称)」が責任を持って行います。
まちづくりのための活動をする団体ということで、各種助成金も獲得できます。
建物の修繕・維持・管理も、お助け隊が責任を持って行います。
また、国の登録有形文化財として申請して登録されれば、地価税を2分の1に減税される、改修等の費用の低利融資、などの優遇措置があります。
また、もの作りを教えてもらったりお茶を出したり学童保育をしたりすることの媒介物として、地域通貨の活用も考えています。
(国の登録有形文化財に関して)
登録文化財は、96年の文化財保護法の改正によって創設された制度です。築後50年以上の建造物が対象です。(1)歴史的景観に寄与(2)デザインなどが造形の規範となる(3)再現が容易ではない――などが基準となります。都道府県などが文化庁に推薦するか、文化財の所有者が都道府県などを通じて申し込むこともできます。文化庁の文化財保護審議会に諮問し、文部科学大臣が文化財登録原簿に登録します。所有者には登録証が交付されます。登録されると、▽敷地の地価税を2分の1に減税▽家屋の固定資産税の2分の1以内を市町村が適宜軽減▽改修などの資金を低利融資などの優遇措置があります。一方、大幅な改築や移築は30日前までに届け出が必要となり、届け出をしなかったり虚偽の届け出をすると5万円以下の過料が課せられます。しかし、国の重要文化財と比べ、建物の活用方法や増改築などの規制は緩やかです。
全国で3146件が登録されています。(2002年11月現在)

私たちが上記のような活用の仕方で別荘を保存し、住民の暮らしや観光に役立てたいと思うのには、以下の考えがあります。

全国的に見て、観光の流れは大型バスでの大規模施設への観光ツアーというよりも、小規模でその土地の自然・文化・歴史・暮らしを感じるものへと変わりつつあります。神流町で「田舎特区」を申請されたのも、そのような流れを理解されてのことと思います。
観光客は、新しいものや大規模なものよりも、もともとあるもの・小規模で手作りのものに惹かれています。「ゆったり・のんびり・その土地の文化・歴史・手作り・地の物・地元の人との触れ合い・自然」を大事に思っています。
万場の別荘は、建材や様式が素晴らしく財産的価値のあるものであるとは言えませんが、文化的・歴史的価値が十分ある、趣のある建物であると思います。
それは、地元の人ほど感じにくく、外から来る人ほど感じられる価値だと思います。地元の人の福祉や観光客の利便のためというお考えもあるでしょうが、観光のことも同時に考えるなら、別荘は壊すにはあまりにも惜しい、観光客を惹きつける魅力のある建物です。
なんとか、新設施設の一部として別荘を残していただけないでしょうか。
ここに重ね重ねお願い申し上げ奉ります。
補足ですが、町の施設計画に対するお考えは以下のようなものであると、私たちは捉えています。
◎ 町がお考えになっている、施設計画の必要性
1. 神流町の福祉施設が、旧中里にある施設に統合されてしまったため、
旧万場地区の人達のための福祉施設を建設する必要がある
お年寄りがくつろいだり、リハビリしたりする施設にする。
2. 万場地区の診療所入り口がとても狭く、救急車が入れない。
また、診療所自体も段差が多いので、建てかえる必要がある。
3. 山や川で遊んだ観光客が、汗を流して帰れるようにするための施設が必要である。
4. 大型バスが乗り入れて多数の観光客を受け入れるためのスペースが必要である。そのために、現バス停留所の向かいにある別荘を取り壊し、停留所・待合室・トイレを建設すべきである。
5. 町が計画している施設は木造建築の後世に残る立派な様式にする予定なので、別荘を取り壊す価値が十分あるものである。

上記の必要性について、私達は以下の提案をいたします。
◎ 既存施設の有効活用
1. 診療所や福祉施設に関しては、今の場所で建てなおす計画もあったと聞きました。また、中里で行われていたように、保育所を小学校の中に移動すれば、今の場所でも十分可能なのではないかと思われます。
2. 観光客が入浴する施設としては、柏木の「老人憩いの家」を活用されてはいかがでしょうか。外来のスポーツ団体が宿泊したり入浴したりしていたと聞きました。
3. 大型観光バスが入って町内の観光案内の中心となる場所としては、
「道の駅:万葉の里」で十分ではないでしょうか。

また、町の計画のデメリットを、私達は以下のように考えます。
1. 今の公園が無くなると、放課後の子どもの遊び場が無くなる
2. 商店街の町並みの景観が損なわれる

今から施設計画を見直すというのも大変なことですので、私たちとしては新設施設の停留所に一部としてなんとか別荘を残していただけないものかと提案&要望する次第ですが、もっと根幹からの町の計画というのを考えた時に、上記のことも考えられるのではないでしょうか、という提言だけ述べさせていただきます。
町としても、まず補助金を獲得する上での条件を満たすことから考えなければいけないので、いろいろ大変なことと思います。
他方で、私たちも、自分たちの手でできることはやって、お互いに助け合い共生していくまちづくりをしていきたいと考えております。
町の将来を考えているという点で、町の方も私たちの目的も同じだと考えております。
どうかそんな私たちのまちづくりの試みを行政として助けるという意味でも、
別荘を私達に活用させていただけないでしょうか。
議会で取り壊しの予算が通っていて、それを覆すというのも大変なことと思いますが、どうか私たちの想いをお汲み取りいただき、ご検討していただけるよう、なにとぞよろしくお願い申し上げます。


小林 妙子 神流町大字神ヶ原2−2−1
TEL&FAX 0274−58−2219
メールアドレス taeko@xp.wind.jp

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